愛というもの~哀しみの中で~
「また、嫌そうな顔して。ちゃんと片付けるよ。有給がたまってたからね。この際消化させてもらって1週間休みにしてもらったんだ。普段休むことがなかったからひと月くらいあるって上からつつかれてたんだ。」

「休みすぎよ。この前も休んでたし…。私のことはほっておけばいいのに。」

「ほっとかないよ。ほってたらきっと茉莉さん死んでるよ。ご飯も食べないし。恭吾が哀しむだろ?」

恭吾が…。そう、私には恭吾がいるのに。どうしても体も心も言うことを聞いてくれない。
こんな時に大吾がいてくれたら…。そう思ってなぜか自然と隣に座っていた真さんに抱きついていた。
真さんも何も言わずに抱きしめ返してくれて、しばらくそうしていた。
最近は真さんに抱きしめられていると眠ってしまっていることがよくあり、その時もいつの間にか眠っていた。
真さんも眠っていたようで、昌美ちゃんの泣き声で私は目を覚ました。

「昌美ちゃん、起きちゃったのね。真っ暗だからびっくりしちゃったね。」

起きたらもう外は暗くなっていて部屋も真っ暗だった。
隣で眠っている真さんを起こさないように昌美ちゃんを抱っこしてリビングへ行った。
もうすぐ産まれて丸っと2か月が経とうとしていて、よく由実ちゃんのおっぱいを飲む昌美ちゃんはずっしりと重たかった。
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