愛というもの~哀しみの中で~
真さんは少し慌てた様子で、抱っこしてた。

「ミルク持つ角度はこれでいいかな?口に押し込んだほうがいい?」

「押し込んだら苦しいから!自分で吸う力に任せて支えてあげるだけだよ。そうそう、上手。」

大吾ともこんなやりとりを何回もしたなぁ。
恭吾が小さいころのことを思い出して思わず笑っていた。

気づくと昌美ちゃんを見てたはずの真さんが私の顔を昌美ちゃんを見ていた時のような顔で見ていた。

「初めてみた。そんな茉莉さんの顔。もっと笑顔が見たい。」

私は見られていたことが恥ずかしいのと、笑っていた自分に嫌悪感を抱いて、眉間にシワを寄せた。

「いつも笑ってるつもりですけど…」

「ハハッ、そうか、いつも笑ってるのか。じゃあいつも見たいな。笑ってる茉莉さん可愛いよ。大吾もきっと安心するよ。泣いてたらそこら変でオロオロしてるかもしれないよ?」

本当に、もし大吾が私の近くにいたとして、きっとものすごくうろたえてるだろうな。
いつも私を気遣ってくれて一喜一憂してたもんな。
私はどうしたらいい?大吾、話がしたいよ。夢の中でもいいから出てきてよ。

私は大吾がいなくなってから一度も夢を見ていなかった…
せめて夢の中ででも話ができたら…
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