愛というもの~哀しみの中で~
昌美ちゃんは飲みっぷりが良くてすぐに飲み干した。
私がミルクの瓶を受け取ると、

「大吾に負けてられないな、俺もゲップさせるのに挑戦してみるよ。」

なんてなぜか真さんは大吾に張り合っていた。

「立てるように抱っこして、肩にもたれられるように。首が据わってないから首はちゃんと押さえて、……そうそう、あとは優しくさすって、
トントンしてを繰り返したら出ると思う。」

真さんの手つきがあまりに危なっかしくて久しぶりに慌てた。
恭吾は3才である程度大きいから危ないってあまりないけど…昌美ちゃんはまだまだ小さくて危ないことだらけだった。

そうやって何とかゲップが出た時には二人で見つめあって喜んだ。
そうやって真さんと楽しく過ごしたことに罪悪感を感じる。

真さんが昌美ちゃんを抱っこしてくれてるから私はキッチンに行ってほ乳瓶を洗った。
その時、玄関の鍵が開く音がして、賑やかな声が聞こえ始めた。
恭吾たちが帰ってきたんだ。
途端に賑やかになり、走る足音が一気に近づいてきて勢い良くリビングのドアが開いた。

「ママー、ただいま。」

恭吾は私を見つけると笑顔で私に駆け寄ってきた。
私は笑顔で恭吾を抱き上げた。

「お帰り、恭吾は何食べて来たの?」

自然と以前のように恭吾に接している自分に驚いた。あんなに気力がなかったのに…
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