愛というもの～哀しみの中で～
「そんな、真は真の人生を生きないと…大吾の人生を背負う必要なんてないのよ。」

お義母さんの表情がどんどん険しくなっていっていた。

「だから俺の人生を俺が愛した人と一緒に生きていくって言ってるんだ。」

私はそんなやり取りをただただお義母さんの顔を見つめて聞いていた。

「母さん、俺はいいと思ってるよ。こういう形があっても。今すぐ結婚するって言ってるわけじゃない。真の気持ちが単に同情や責任感からくるものならすぐにうまくいかなくなるだろうし、本当に茉莉さんを好いているならうまくいくだろうし。」

「そんなのダメよ。大吾はどうなるの？あの子がかわいそうじゃない。」

そう言ってお義母さんは私へ怒って視線を向ける。
私はお義母さんの目が見れずに俯いた。

「おばさん、俺も賛成です。大吾もきっと他の誰かよりも真さんの方が安心すると思う。大吾の唯一の憧れの人だから。」

真さんは昌くんの言葉に驚いていた。

「嫌っているの間違いじゃなくて？」

「ハハッ、大吾素直じゃねぇから真さんに強く当たってましたけど、ただの八つ当たりです。自分が真さんのようになんでもできないのが悔しかったんですよ。」

昌くんのことばを聞いて真さんは小さく笑っていた。
そういえば前も嫌われているって言っていた。
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