愛というもの~哀しみの中で~
「お茶しかないけど…すぐに入れるから待っててね。」

私は家に入るとキッチンの方へ行こうとした。

「茉莉…」

私の手を掴み名前を呼ばれ振り返るとふいにキスされた。
この前の様に腰が手に回って来ることはなく、少し長めの唇が触れるだけのキスだった。
顔が離れると優しく見つめられ照れて下を向いた。

「フフッ、茉莉が照れた。可愛い。」

なんだか芹沢さん…大吾が甘くなっている気がする…
可愛いなんて言われてどんな反応をしていいかわからなかった。

「可愛いくないし、そんなこと言われたら恥ずかしいからもうやめて?」

そう言うとニヤリと笑って可愛いを連呼された。
もうっと私は叩く真似をして拳を振り上げた。
その手を掴まれキスされた。今度はすぐに離れず舌が入ってくる。
このキスは体がゾワゾワしてこそばゆくなり、なぜか変な声が漏れてしまう。
そして胸のドキドキが更に増して苦しくなる。
大丈夫、怖くない…。
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