愛というもの～哀しみの中で～
「俺も。戻れるなら大吾の生きてる時に戻りたいよ。でも前に進もう。な、茉莉ちゃんのこと汚いなんて誰も思わない。きっと真さんも茉莉ちゃんのこときれいだって言うと思う。大丈夫だから真さんのこと信じてやってな。」

昌くんは私の背中をポンポンと叩いて宥めてくれていた。

「茉莉さん、また昌にいじめられてるのか？」

真さんが気づいてきてくれたみたいで、冗談っぽく声をかけられた。

「いやいや、どう見てもいじめてないでしょ。」

笑いながら昌くんが答える。
そのまま昌くんの体が離され真さんと交代した。隣に座った真さんの膝の上に恭吾が寝ていて、片手で私を抱きしめてくれた。

「恭吾いろいろ欲しがってたんだけど寝ちゃったよ。また明日買いにこよう。」

「じゃあそろそろ部屋に戻りましょ。」

昌くんがそう言って眠そうにしている由彰くんを抱き上げるとみんなで部屋に戻った。

「せっかくだし、恭吾も寝てるからゆっくり大浴場に行ってきたら？夜景がきれいだって。」

って真さんが言ってくれて、昌くんたちにも連絡をしてくれた。私は由実ちゃんと二人でゆっくりと夜景を見ながら屋上の温泉に入った。
温泉にゆっくりつかるなんて何年ぶりだろう。恭吾が産まれてからはゆっくりお風呂なんてほとんどなかった気がする。
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