愛というもの~哀しみの中で~
「昌ってさ、はじめっから茉莉ちゃんのこと好きだよね。私にはそんなに優しくしてくれないのにってよく思うもん。でもさ、きっと昌の中で茉莉ちゃんって特別なんだろうね。あっ、嫉妬とかじゃなくて、素敵だなって思う。」

「由実ちゃん…。ごめんね、私のことばっかり気にするの気分良くないよね。」

「だから、違うってば。大吾くんと同じように特別な存在なんだろうなってこと。だからさ、茉莉ちゃんは絶対に一人にはならないってこと。わかった?」

由実ちゃんがムキになってそう言った。
何となく言ってくれてることはわかる。嫉妬してないのもわかる。

「私、由実ちゃんも昌くんも本当に大好き。私って親とかいないけどすごく素敵な友達に巡り合えて本当に幸せ。本当にありがとう。大吾がいなくなってダメダメな私に優しくしてくれたり、心配してくれたり、怒ってくれたり。感謝してる。」

「うん。私にとって茉莉ちゃんは友達以上っていうか、家族だから。きっと昌にとっても。そしてさ、大吾くんのことを良く知ってる私たちが応援してるだからさ、真さんと幸せになってよ。もちろん、茉莉ちゃんが本気で嫌なら離れるべきだけど見ててそんな感じじゃないもん。キスしたらしいしぃ」

旅行に来ているのに1日に何回泣いてるんだろうって思うくらい。
由実ちゃんはからかいながらも泣いている私の頭を撫でくれた。
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