愛というもの~哀しみの中で~
私は慌てて起き上がる。見られていたことの恥ずかしさで顔が熱くなった。

「二人ともどうしたの?いつ起きたの?」

二人に聞くけど、ニヤニヤして私の顔を見ていた。
そして、恭吾が由彰くんの耳元に手を当ててこしょこしょ話するように

「なっ、ママとまこちゃんラブラブだろ。」

ってこちらにまで聞こえる声で言っていた。

「えっ?恭吾、ラブラブってちがうよ。由彰くんもっ」

慌てて否定をしていると私の背中で笑い声が聞こえた。

「アハハハハッ、それは傷つくなぁ。俺はラブラブだと思ってたけど?」

私が振り向くとからかうように真さんが笑っていた。

「あっ、その、違うのよ。もぉ~!そんなこと言っちゃうと子供たちずっと言い続けるじゃない。」

私は真さんを睨むようにして言うけど、その顔を見てまた笑っていた。

「いいよ。本当のことだろ?なぁ、恭吾。」

「うん。おれもヨッシーとラブラブ!」

「おれも、きょうちゃんとラブラブ。」

って子供たちが言い始めたから頭が痛かった。
子供ってどこでも誰にでも言いふらすから恥ずかしいのに…。

「ハハハッ、男同士でラブラブか、お前たちは仲良しだもんな。」

真さんは二人を膝の上に乗せて頭をくしゃくしゃと撫でていた。
何気に浴衣がはだけており、目のやり場に困った…。
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