愛というもの~哀しみの中で~
家に帰っても二人でのんびり過ごして、同じベッドに入る。
寝る前のキスだけは、ねっとりとゆっくりしたまるでセックスしているようなキスをされるけど抱きしめられるだけで必要以上に触られたりもなかった。
キスの後は朝まで抱きしめられて眠った。

それがいいのか正直わからなかった…。大吾とも初めはキスだけだったけど大吾の場合は我慢してるのも伝わってきていた…。真さんはそんな素振りは全くない。
私には色気があると思っているわけではないけどあんなキスはするのにな…それとも大人だからそういう欲もあまりないのだろうか?

本当はそういうことをするってなると怖いくせに面倒くさいことで悩んでいた。
でも言えないでいる…。


それが当たり前の日常になり、2年が過ぎた。
大吾のいない生活も当たり前になり、笑顔で写真に話しかけられるようになっていた。

恭吾は年長さんになって良く話し、良く笑い、良く走る子になっていた。
話すことが大人の真似をするから面白いし、頭がよくなったので言い訳や言い返すこともできるようになった。

行事も多くて必ず真さんが一緒に出席してくれた。
一度女の子たちに『パパじゃないまこちゃんがくるのはおかしい』って責められたことがあって家に帰ってきてからしばらく泣いていたことがあった。
そんな時私は抱きしめてあげることしかできなくて、一緒に泣いた。
それから必ず大吾が一緒に写っているアルバムを取り出してパパの話をした。
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