愛というもの~哀しみの中で~
そんなことがあっても恭吾は真さんが大好きで帰ってきたらいつもくっついていた。
この2年は真さんと一緒に写った写真が増えて、アルバムもどんどん増えて行った。

相変わらず真さんは自分の部屋があるのに私たちの家に帰ってくる。
私にキスもするし、私と恭吾に優しくて大切にしてくれている。

私は恭吾が年中さんに上がると同時に幼稚園に行っている間だけ仕事を再開した。
以前働いていた施設で施設長は変わっていたけど快く受け入れてくれて周りのスタッフも歓迎してくれた。
そこで、私は一つの夢ができた。
ホームヘルパーの資格だけではできることは限られててもどかしさを感じ始めたのもあり、思い切って看護師の資格を取ろうと決意したのだ。
今受験勉強中でもし合格できれば恭吾と一緒に1年生になれる。

勉強は真さんが教えてくれてせっかく高校を卒業したのに忘れていることもたくさんあり苦労している。
高校のときのノートや教科書を取っていたので取り出して眺めるとそこには大吾との思い出が沢山詰まっていた。
教科書のいたずら書きだったり、大吾が説明を書いてくれていたり、見るとその時のことが思い出された。
あの狭い6帖一間の部屋で沢山一緒に過ごしたな。
当時のことを思い出すと、最近では泣くこともなくなっていたのに涙が自然と流れ出た。
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