愛というもの~哀しみの中で~
夜は恭吾がいないだけで本当に時間を持て余すほどゆっくりだった。
お泊りでいない日はいつものことなのに何だか落ち着かない。
一日中ずっと真さんとべったりといるからかもしれない。
私はアルバムを取り出してきて真さんに見せた。

私と大吾の1冊目のアルバム。初めのページに昼間に話をしていた由実ちゃんと撮ったミルクレープを手に持った写真が貼ってあり、次のページに初めて過ごした大吾とのクリスマスの写真が貼られてた。本当に幸せだった時、まだお互い少し遠慮し合ってて…。
そしてこの時に私と大吾はやっと…。そんなことを思い出しながら眺めていた。

真さんはこの写真をどんな気持ちで見ているんだろう?
顔を見ても笑顔で眺めてて本心はわからなかった。

「大吾幸せそうだな。サンタの恰好なんかして、こんな笑顔子供のころにしか見たことなったよ。」

「いっつも笑ってくれてたよ。真っすぐ私を見てくれて…本当に幸せだった。」

泣くつもりはなかったのにまた涙が流れ出た。
そんな私を優しく見つめて涙を拭ってくれる。

「ありがとう。真さんにはどんなにお礼を言っても言い足りないくらい。ずっとそばにいてくれてありがとう。真さんのおかげで今前を向いて生きていられてる。私もう大丈夫だよ。」

「俺も一緒だよ。可愛い弟がいなくなったんだ。毎日暗い道を歩いている感じだったよ。でも茉莉さんがいてくれてそばにいることを許してくれた…本当に救われたよ。恭吾もいたしね。俺は大丈夫じゃないよ。茉莉さんがいないともう大丈夫じゃない。」
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