愛というもの~哀しみの中で~
「あっ、手っごめん。そのままにしてた。」

慌てて大吾は私の方から手をはずしたので私はとっさに手を掴んでしまった。

「あっ、いや…その、嫌じゃないから。これは怖くない。」

「じゃあ、もっとキスしたい。抱きしめていい?」

ドキドキしすぎて頷くしか出来なかった。
私の許可を得て大吾の手が遠慮なく体に回ってきて抱きしめられた。

「あ~、マジで好き。」

そう言いながら大吾の腕に力が入る。私も大吾の背中に手を回し少し、私の出る限りの勇気分ぎゅっと抱きしめた。

「私も…す、好き。」

恥ずかしい…私の人生にこんな恥ずかしくて幸せな時間があるなんて想像もしなかった。
スッと大吾の腕の力が抜け、少し体を離すといつもより少し激しくキスされた。
すぐに大吾の舌が入ってくる。大吾がいつもより興奮しているのが伝わってくる。
私の心臓は破れそうだった。怖くない、怖くない。私はいつの間にか大吾の背中に回していた手で大吾の服を握りしめていた。
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