愛というもの~哀しみの中で~
「ごめん、ごめんなさい。真さんのこと好きで、すごくうれしいのに…。」

「俺もうれしいよ。大丈夫。茉莉さんはそれでいいんだ。恭吾と俺どっちが好き?って言われたって好きの種類っていうか次元って言うか違うから比べられないだろう?きっと俺と大吾への想いも比べられない。だからいいんだ。」

私は泣きながら頷いた。
きっと私の気持ちの名前にぴったりくる言葉はない。
でも真さんと前に進んでいこうと思うし、大吾のことも忘れない。

私たちは裸のまま抱き合って眠った。
目が覚めると見慣れない部屋だったから一瞬どこかわからなかった。
そうか、私たち昨日の夜…
思い出すと、不思議と幸せな気持ちが胸にあふれるようだった。

私はそろっと真さんの腕の中から出ようとすると、ぎゅーって力を入れて抱きしめられた。

「おはよう。身体大丈夫?痛くない?」

私はあいさつしたけど、声がかすれすぎて言葉にならなかった。

「フフッ、茉莉さんの声…。なんかやらしいな。」

真さんまで!
私は振り返ると睨むように見上げたのに顔に沢山のキスが降ってきた。

「この年でこんなにはしゃぐことがあるとは思ってなかったよ。幸せだ。これからもずっと一緒に幸せな朝を迎えよう。」

幸せ…。私も幸せ。
私は笑顔で頷いた。
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