愛というもの~哀しみの中で~
由彰くんは照れくさそうに歩いてこちらに来ていた。
なんだか小さな昌くんと大吾のようでおかしかった。

「お帰り。どうだった?」

私は恭吾を抱き上げて聞いてみると、恭吾は私にギューッとしがみついてきた。
少しそうしているとパッと顔を上げて、

「たのしかったよ。おばけでなかったからつまんなかった。」

って強がりを言っていた。
いつもなら真さんに抱っこされるのにこの日は私から離れなかった。
一旦家に帰るとうちに由実ちゃんたちが来て、二人のお土産話をみんなで聞いた。

夕飯は外に出るつもりだったけど二人とも行きたくないって言うから急遽買い物に行ってうちで由実ちゃんとご飯を作る。
子供たちはお泊りで揚げ物などたくさん食べてきていたので由実ちゃんお得意の親子丼にした。

「私由実ちゃんの作る親子丼大好き。初めて食べた時も感動だったもん。私が作ると何だか味が違うんだよねぇ。」

「ヘヘヘッ、そんなことないよ。同じ分量で、同じ調味料使ってるんだから。あとは卵の具合かな?茉莉ちゃん上手だと思うけど。」

そんな話をしながら順番に作っていった。
洗い物は真さんと昌くんがしてくれたから私たちはコーヒーを飲みながらのんびりできた。

由実ちゃんたちが帰った後もずっと恭吾は私にべったりで、真さんがお風呂に入ろうって誘っても「今日はママと入る」って言って離れなかった。
真さんは残念そうに一人でお風呂に行ったからおかしかった。
お風呂だけはいつも真さんと入っていたのに。
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