愛というもの~哀しみの中で~
「あ、あの、寄っていかない?」

私は大吾の背中に顔をうずめたまま家に誘った。心臓がバクバクといってて口から飛び出してきそうなくらいだった。
大吾は私の両手をゆっくり外し私の方に向き直り、俯いていた私の顔を無理やり上に向かせる。大吾の顔を見ると困った顔をしていた。

「突然どうした?なんかあったのか?」

私は頭を横にふる。本当は怖くて逃げ出したい…でもここで逃げたらダメな気がする。

「ま、まだ…一緒にいたくて……ダメかな?」

「う~ん…俺の理性もどこまできくかわからないからな……」

優しく笑って私のおでこにキスをする。
このままでは大吾は帰ってしまうと焦って私はまた大吾に抱きつく。

「おね…が、い…」

「あ~、くそ~!」

大吾はそのまま私を持ち上げ私の手から鍵を取ると開けて家の中に入った。私を持ち上げたまま家の中まで入っていくとテーブルの横に押し倒すように下ろした。

「あ、あの…くつ…」
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