愛というもの~哀しみの中で~
「だから誰も信じないし誰にも頼らないって決めて本当に生きることに諦めがつくまでは何とか生きてみようってバイト始めて高校にも通うことにしたの。お金稼いで勉強することで精一杯だと思ってて人間と関わることを敢えてしなかったのに…」

じわっと目頭が熱くなるのを感じる。泣かないように天井を見つめていた。

「今は大吾が私から離れていくことが怖いの。セックスも出来ないのにこんなワガママごめん…。でもね、諦めることには慣れてるから今は悲しくても私は大丈夫だから。大吾は私なんかのところにいてくれなくてもいいよ。」

いつの間にか目からは涙が流れ出ていたけど大吾に抱きしめられてたから気づかなかった。
言い終わる頃にはきつく抱きしめられてて苦しいくらいだった。

「付き合うってセックスがすべてじゃないだろ。そりゃ性欲はあるけど…そればっかりじゃない。裸になってすべてをさらけ出してお互いが気持ちよくなるすごいことだけど、正直そこに愛がなくてもできるんだ。それに俺自身それなりにテキトーなことしてきたし…なにが言いたいかっていうと…わかんないけど、セックスしなくても好きだから。」
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