愛というもの~哀しみの中で~
その日は何だか食欲もわかず野菜ジュースと小腹を満たす程度のお菓子を買って学校へ行った。
なんとなく授業にも集中出来ずに芹沢さんの事ばかり考えていた。
『絆されてみるのもありだと思うけどなぁ。』
って美代さんは言うけど、親密になるのは怖い。
そもそもあの臭い男にレイプされた私の身体は汚れてる…
恋愛なんて、幸せなんて私の人生には無縁なのだ。

「岩崎さん、今日は調子が悪そうだけど大丈夫?いつも真面目なあなたが今日は上の空って感じだったけど?」

授業が終わり帰ろうと教室を出ようとしたときに担任の横田先生に声をかけられた。
横田先生は50代くらいの数学の先生だ。

「あっ、すいません。明日は真面目に授業受けます。」

そう答えて頭を下げると急ぎ足で教室を出た。
怒ってたのかな?でも教師も苦手だ。
施設から学校に通っていた私を含め何人かはストレスのはけ口のように冷たく扱われていた。
叩かれたりする事もあった…それで怒って学校に抗議する親もいないから。
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