死者の体温〜最期のメッセージ〜
「うわ〜、いっぱい!」

台の上に置かれた骨の数に朝子が驚く。頭蓋骨、肋骨、鎖骨など様々な部分の骨がバラバラに並べられていた。

「頭蓋骨が十個ありますから、おそらく十人分の骨だと思うんですけど……」

原刑事がそう言い、「まずは骨の泥を落としてパーツを組み立てないとな」と聖が言う。

「パズルを作るみたいですね」

大河がそう言い骨の泥を落としながら、「あれ?この人たちの死因って……」と呟いた。藍が口を開く。

「白骨化してしまったご遺体は、病死などの死因を特定することはできないの。ただ、誰が亡くなったのか、事件性があるのかというのはわかるわ」

「まあ、敷地内にこれだけの骨が埋められていたんですよ。事件って言わない方がおかしいです」

原刑事がそう言うと、「余計なことは言うな!」と如月刑事が言った。

「この骨はどこにあったんですか?」

藍が訊ねると、すぐに如月刑事が答える。

「この骨は全て、××製薬会社の近くにある山の中に埋められていました。それも一ヶ所に集められて。その山は××製薬会社の所有していた土地で、面白半分に探検に来た学生が骨を見つけたそうです」
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