死者の体温〜最期のメッセージ〜
大河がそう言うと、「なら仕事を手伝ってもらえばいいだろ」と聖が言う。

「骨を並べる作業がまだ残っていただろ？」

「あ、そうでしたね」

一人一人の骨を組み立てるのにはかなりの時間がかかる。人間の骨は、成人で約二百六個。しかし尾骨の融合、肋骨、種子骨などにより個人差があるからだ。

大河がアレクサンダー・エドモンドに仕事を手伝ってほしいと頼み、アレクサンダー・エドモンドは「面白そうだね！」と笑う。

「よろしくお願いします」

藍はそう言い、アレクサンダー・エドモンドを解剖室へと案内した。

「次はこの人の骨を組み立てるよ〜」

朝子が骨の入った箱を置く。そして、一つ一つの骨を組み立てていった。

「これは涙骨で、こっちは上腕骨ね」

藍が骨の形を見て朝子たちに渡す。朝子たちはそれを丁寧に並べていった。

「これは胸椎ですね。お願いします」

藍は、アレクサンダー・エドモンドにも骨を渡す。アレクサンダー・エドモンドは真剣な表情で骨を受け取り、並べていく。そして、藍が脛骨を渡した時、アレクサンダー・エドモンドの目が驚きで見開かれる。
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