憧れの学園王子と甘々な近キョリ同居はじめました♡
「あ…。翼くん。
ちょっと良いかしら?」
いつもの様に病院に来て梨沙と喋ったあと、帰ろうと病室を出ると。
深刻な表情をした梨沙の母親の沙羅さんが声を掛けてきた。
「あ、はい」
嫌な予感はするけれど、断るわけにもいかない。
そう思って頷いて沙羅さんの後ろを着いていく。
連れていかれたのは、休憩室。
誰もいないためか、どんよりした空気を感じてしまう。
「そこに座ってね」
沙羅さんの表情は未だ晴れず。
「…失礼します」
不安が募る。
「…あのね。翼くんは察しが良いから勘づいてるかもだけど、梨沙のことなんだけれど」
そこまで言って沙羅さんは息を大きく吸った。
「梨沙ね…。
実は、靭帯なんか切ってないのよ」