憧れの学園王子と甘々な近キョリ同居はじめました♡


「はっ…?」


沙羅さんの言葉が信じられなくて。

心にヒュっと風が通ったような感覚がした。



「ごめんなさいね、翼くん…。私も嘘をついてしまう形になってしまって。

でもね、梨沙は翼くんがいないとダメだから…」



沙羅さんが言おうとしている事は、なんとなくだけど分かる。


結局は…、梨沙の嘘を知っても一緒にいて欲しいってことだ。



沙羅さんにとって、梨沙は大事なひとり娘で、大切に育ててきたはずだから。

梨沙をかばう気持ちも、俺にすがる気持ちも、ちゃんとわかってる。



俺なりにわかってるつもりだけどっ…。



「…すみません。
ちょっと…、ひとりにしてください」



頭が追いつかなくて。


直ぐに沙羅さんに応えることが出来なかった。



沙羅さんは、少し悲しそうな表情をしたけれど、「わかったわ。無理言ってごめんなさいね」と言って帰って行った。


< 157 / 297 >

この作品をシェア

pagetop