憧れの学園王子と甘々な近キョリ同居はじめました♡
「はっ…?」
沙羅さんの言葉が信じられなくて。
心にヒュっと風が通ったような感覚がした。
「ごめんなさいね、翼くん…。私も嘘をついてしまう形になってしまって。
でもね、梨沙は翼くんがいないとダメだから…」
沙羅さんが言おうとしている事は、なんとなくだけど分かる。
結局は…、梨沙の嘘を知っても一緒にいて欲しいってことだ。
沙羅さんにとって、梨沙は大事なひとり娘で、大切に育ててきたはずだから。
梨沙をかばう気持ちも、俺にすがる気持ちも、ちゃんとわかってる。
俺なりにわかってるつもりだけどっ…。
「…すみません。
ちょっと…、ひとりにしてください」
頭が追いつかなくて。
直ぐに沙羅さんに応えることが出来なかった。
沙羅さんは、少し悲しそうな表情をしたけれど、「わかったわ。無理言ってごめんなさいね」と言って帰って行った。