憧れの学園王子と甘々な近キョリ同居はじめました♡
──── そして、今に至る。
「じゃあ、行ってくるわね〜」
「元気でな、音」
運転手さんが準備していた車に乗って、パパとママは笑顔でわたしたちに手を振った。
ああ、ついに行ってしまった。
玄関のドアがパタンと閉まって、そんな思いにとらわれる。
「名前。音羽、だっけ?」
ドアをじっと見ていたら、会長様が話しかけてきた。
「あ、そうです。音羽で大丈夫ですよー」
変に意識しないことにしよう。
こうなったらあとの祭り。
いつも通りのわたしでいこう、と心に決める。