誰か 〜Who are you?〜
トントン
スーパーからの帰り道。私は鼻歌交じりに運転をしていた。野菜も肉も特売で、安く買い物できたのだ。

フンフフン〜♪




ん?


後部座席から視線を感じ、ルームミラーに目をやった。

もちろん、誰もいない。
今日は一人で買い物に来ているのだから。




トン、トン…


左の肩を叩かれた。

「運転中だから振り向かないよ」


私は前を向いたまま、そう言った。


『失敗したぁぁぁ…』


右の耳元で、男の声が聞こえた。
いかにも悔しそうな、弱々しい泣き言。


「プッ!なにその言い方〜〜w」

私は思わず、吹き出してしまった。


「失敗したぁぁ〜って、なにそれ〜〜w」


私はなぜだか “ だ れ か ” の声がツボに入り、
自宅までひとり笑いながら運転して帰った。











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