食べたくない私 と 食べさせたい彼【優秀作品】

　私は、人生で食べることが一番嫌いだ。

だから、ずっと食事はバランス栄養食と表示されたクッキーやゼリーなどで死なない程度に飢えを凌いでいる。

　ところが、私が入社してすぐに、それに気づいた石井さんは、いつも何かと私に食を強要してくるようになった。

今朝のスムージーも、昨日のうさ耳のりんごも、全部私のため。

ロケに出れば、ちゃんとした店に連れて行かれて、ちゃんとした定食やランチを食べされられる。

なんでそんなに私に構うんだろう。

放っておいて欲しいのに…