幼なじみの不器用な愛情
「お待たせ」
華が更衣室を出るとそこには高橋と隆弘が二人で話していた。二人の雰囲気は悪くない。むしろ笑っている。
「どうしたの?」
「内緒。」
そう言って高橋は隆弘に「じゃあな」と手を振った。
「じゃあな。」
隆弘も答える。
華は自分が高橋と付き合いだしてからぎこちないような気がしていて気にしていた。
でもそんな考えを拭えるほど二人は楽しそうに会話をしていた。

「夜になっても暑いな。」
「そうだね。」
高橋は華の小さな手を握り歩く。
「なぁ華ちゃん。」
「ん?」
「華って呼んでいい?」
「もちろん」
高橋は華のことを華ちゃんと呼んでいた。時々、華と呼ぶものの照れてしまう。
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