幼なじみの不器用な愛情

「どうしたの？」
「いや。ちょっと対抗心？」
「対抗心？」
「ちょっとね」
高橋が華のことを呼び捨てにしている隆弘に対抗して考えていることは華にはわからなかった。
「華さ。」
「うん」
「最近なんかあった？」
「え？」
華が高橋の顔を見ようと少し前に体を出す。
高橋も華の様子に気が付き足を止めた。
「俺は嘘とか内緒がいやだからさ、はっきり言うんだけど。」
「うん」
「この前隆弘に呼び出されたんだ。」
「隆弘に？」
「そう。よく一緒にバスケした公園でさ。バスケしながら隆弘と話したんだ。」
華は高橋の表情にくぎ付けになる。
「華のこと、ちゃんと見ていてやってほしいって言われたんだ。」
「私のこと？」