幼なじみの不器用な愛情
華もすぐに高橋に打ち解けた。


華は高橋にお礼を告げて家の中に入る。
電気をつけてリビングに入った。

そこにはあったはずの家財道具がなくなっている。
部屋の中央に毛布だけが置かれていた。

世の中お金・・・お金・・・

たとえ亡くなる前に未来に託す思いを残しても、思い通りにはいかないのだと思った。

親戚の一人がかなり高額なお金を支払い弁護士を雇い、華から家を取り上げた。

華は大学を卒業するまでアパートを借りて暮らせる程度のお金を家と土地を売却したお金の中からもらえる権利はもらった。でも華が欲しかったのはお金じゃない。
自分の両親が亡くなってから自分の居場所だったこの家にいたかった。祖母のぬくもりの残る家にいたかった・・・。
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