幼なじみの不器用な愛情
「今度の週末、デートしないか?」
高橋からの提案に華は頷く。スケジュール帳を出してさっそく予定を書き込んだ。
「採用試験も終わったし、ちょっと息抜き。夏を楽しまないとな。」
「うんっ!」
高橋の言葉に華が嬉しそうに笑う。
「お祭りに行って、花火しよう!」
「うん!浴衣着ていくね」
「俺も浴衣着ちゃおうかな。」
「うん!」
「じゃあ一緒に買いに行く?」
「行く」
華は高橋との時間を楽しもうとしていた。そうしているうちにつらい現実を忘れたい。
「じゃあ決まりな。」
「うん」
「ちなみに俺の友達も呼んでもいい?」
「うん」
華は高橋に頷く。
高橋はその時、ひそかに考えていることがあった。
それは高橋にとっても今後にかかわる賭けでもあった。
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