幼なじみの不器用な愛情
隆弘に名前を呼ばれるだけでどきどきする。
「なに?」
「本当に大丈夫か?」
「うん。大丈夫。」
華は精一杯笑って見せた。

隆弘はこの季節は華が苦手と知っている。
毎年この季節、華は不安定になりよく大きな失敗をしたり、体調を崩す。
目が離せない季節だった。

今年もその季節が来ていることを隆弘は華の顔色を見て察した。

高橋がきっと華に気づいてくれるだろう・・・

隆弘はそう自分に言い聞かせて華にそれ以上深入りしないことを決めて、見守ることにした。
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