幼なじみの不器用な愛情
「伊崎先輩」
名前を呼ばれて隆弘がオーダーを取っていた隣のテーブルを見るとそこには笹本が座っていた。
隆弘に連絡先を聞いてきたバスケ部の後輩だ。
その後笹本からは何度かメールが来た。
それでも隆弘はあまり返事をしていない。そっけなく、一度で会話が終わるような内容で返信して終わらせていた。
「おう。」
笹本は一人で来ているらしい。
「注文してもいいですか？」
「はい。」
隆弘はポケットからオーダーシートをだす。
「どうぞ。」
「アイスティのレモンとケーキプレートお願いします。」
「飲み物はいつお持ちしましょうか？」
「先にお願いします。」
「かしこまりました。お待ちください。メニューおさげしますね。」
隆弘がメニューを手にして頭を下げテーブルから離れようとすると笹本が話しかけた。
「メール、ご迷惑でしたか？」
直球できかれると隆弘は弱い。
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