幼なじみの不器用な愛情
「俺、お前には負けたくないよ。」
「何が?」
高橋が真剣な顔で話し出す。
「華のこと。お前にだけは負けたくない。」
「勝ち負けじゃないだろ。それに、お前のほうが勝ってるだろ。」
「・・・だといいんだけどな。」
少し影のある顔をしている高橋が隆弘は気になった。
「笹本のこと、どうなんだよ。」
「・・・別に。」
「華以外の子には興味ないか?」
「何言ってんだよ。」
二人は話をしているうちに自販機の前についた。
高橋が華の分と自分の分の飲み物を買う。
「俺は壁、突破したいんだ。」
「壁?」
「・・・こっちの話。」
隆弘は高橋が何を話しているかわからなかった。
隆弘も笹本と自分の分の飲み物を買う。
< 127 / 305 >

この作品をシェア

pagetop