幼なじみの不器用な愛情
そんな笹本に気が付いた隆弘は「ごめん」と謝った。

隆弘はいたたまれず携帯で高橋に電話をする。
~♪
でも出ない。今度は華の携帯に電話をした。
~♪
ふたりとも出ない。

本当はトイレに見に行きたい。でも笹本を一人にするわけにもいかない。
どうしようかとそわそわとしていると高橋と華が帰ってきた。
華の体を高橋が支えている。華の顔色は真っ青で、暗くてもすぐに体調が悪いことが分かった。
隆弘はすぐに立ち上がり華の方へ向かう。
「どうした?」
「なんか体調悪くなっちゃったみたいで。」
高橋がひとまず笹本の隣に華を座らせる。
「大丈夫。」
華がぎこちなく微笑む。
「これ、さっき買ってきたお茶。」
高橋が買っておいたお茶を華に渡す。
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