幼なじみの不器用な愛情
隆弘は華の腰に自分が腰に結んでいたシャツを巻いた。そして華をおんぶする。
「俺が・・・」
と言いかけた高橋は浴衣を着ていて華をおんぶするなら隆弘の方が早いと思い、一歩下がった。
「行くぞ。」
隆弘が華を軽々とおんぶして家に向かい歩き出す。その姿を高橋は見ていられなかった。
「俺、笹本を送っていく。」
そう言って高橋は華のことを隆弘に任せた。




ふたりの間には入れない・・・

そう知った高橋は言葉なく笹本を駅まで送り家路についた。

その途中、駅の鏡に映る浴衣姿の自分を見る。

浮かれた格好をしていても、心は言葉にできない敗北感に満ちていた。
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