幼なじみの不器用な愛情
第六章~別れ~
隆弘は大通りに出るとタクシーを拾い華の家の前についた。
華の巾着の中から家のカギを出して支払いを済ませると華を再びおんぶして家のカギを開けて中に入った。

目に飛び込んできた家の中の状態に隆弘は息をのみ、一瞬何も言えなかった。

そこにあったはずのものが何もない・・・

「・・・こほっ・・・」
自分の背中で小さく咳をした華に現実に戻り、隆弘はとりあえずリビングに向かった。
扉を開けるとそこにも何もない・・・


あるのは部屋の中央に毛布が一枚・・・


ここで華はいつからひとりでいたのだろう・・・

切なさで隆弘の心がぎゅっと締め付けられた・・・
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