幼なじみの不器用な愛情
心当たりのある場所をすべて探してから隆弘は自宅へ戻った。
「隆弘、帰ってたの?」
「あぁ。」
シャワーを浴びようと浴室に入ろうとしたところを母に声をかけられた隆弘は立ち止まった。
「華ちゃんのこと、あんた知ってるの?」
母の言葉に隆弘が目を見開く。
「知ってんの?母さん」
「あんたがバイト先に行ってから華ちゃんが来て、引っ越しのあいさつに来たのよ。今までお世話になりましたって言ってね?私とお父さんに夫婦茶碗をくれてね。あんたにも預かったのよ?」
隆弘は再び心が高鳴った。
母がリビングに向かうのについていくと、隆弘は母から紙袋を渡された。
すぐに自分の部屋にもっていく。
そして自分の机に座り紙袋を開ける。そこにはいくつかの包装された袋が入っていた。

隆弘は封筒を見つけ、真っ先にその封筒を開けた。
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