幼なじみの不器用な愛情
「ありがとう・・・」
華は待ち合わせした店には歩いてきていた。
隆弘はそんな華を家まで送る。
「おばあちゃんと暮らしていた家を出てからずっとここに住んでるの。」
2階建てのアパートの前で車を停めたまま華が話始める。
「なかなかやりたいことが見つからなくてアルバイトしてたのが今のお店。」
「そっか。」
「すごくよくしてもらってね。正社員として雇ってくれたの。今はフラワーアレンジメントの資格も取って、自分のアレンジで花束を作ったりとか、今日みたいな花かごも任してもらえるようになったの。」
「そっか。」
「うん」
「頑張ってたんだな。」
隆弘の言葉に再び華は涙ぐむ。
「ごめん・・・」
華は再び泣き出す自分を謝る。

二人は喫茶店で連絡先を交換した。
華は5年前、携帯番号も変えていた。
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