幼なじみの不器用な愛情
華は急いで自分のアパートへ向かっていた。
仕事を終えて時計を見るとすでに夜9時をまわっていた。

息を切らせながらアパートの前につくとそこには隆弘の車が停まっていた。
駆け寄ってくる華を見て隆弘が車から降りてくる。
隆弘も仕事帰りでスーツ姿だった。

再会してから毎日メールでやり取りしていても、いざ会うと緊張する。
「そんなに走って帰ってこなくてもよかったのに。むしろ店に迎えに行ったのに。」
「ごほっ・・・こんなに走ったの久しぶり。」
そう言って華が笑う。
「としだね。こんなんで息が切れるなんて。でも・・・気持ちよかった。」
華の笑顔に隆弘もつられて笑った。

「行こうか」
「うん」
「どうぞ。」
そう言って隆弘は自分の車の助手席のドアを開けた。
「ありがとう」
華が微笑みながら車に乗る。
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