幼なじみの不器用な愛情
「本当にきれい・・・」
桜を見上げる華。そんな華の横顔に隆弘は見とれてしまう。

「華」
「ん?」
隆弘に名前を呼ばれて華は隆弘の方を見た。
隆弘が昔と変わらない穏やかで優しい顔をして自分を見つめている。
それだけで、なんだか涙が出そうだった。
少し瞳が潤む華の頬に隆弘はそっと触れる。
「俺は華ともう離れたくない。」
「・・・」
「華。俺とつきあってほしい。」
「・・・」
「この気持ち、もう隠したくないんだ。一分、一秒だって俺は一緒にいたい。」
まっすぐな隆弘の言葉に華は目をそらせずにいる。
「華。好きだ。」
「・・・」
華はうまく返事を返せない。
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