幼なじみの不器用な愛情
紙はもうボロボロだった。
隆弘はすぐにその紙を見て思い出す。
「まだ持ってたのか?」
「うん。」
そこには隆弘の字で『鍵!!』と書かれている。
「こんなの持ってたのか?」
隆弘の言葉に華は恥ずかしそうに微笑んだ。

華が一度離した手を隆弘が再び握り、空いている自分のもう片方の手でその紙をサイドボードに置いた。
「これからはいくらだって書くよ。なんだって書く。むしろこんな紙なんて必要ないくらいそばにいる。」
「それにね。これ。」
華は自分の首元につけられたネックレスを隆弘に見せた。
「?」
暗闇の中で隆弘は華のネックレスのモチーフまでは見えていなかった。
目を凝らしてそのモチーフを見ると小さな蝶のモチーフがついていた。
「再会した時もずっとつけてた。」
「安ものなのに。」
「私には特別だもん。」
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