幼なじみの不器用な愛情

そんな隆弘が電話をしている相手は高梨華(21)。隆弘の隣の家に訳あって一人で住んでいる。
隆弘とは家族ぐるみで仲が良い。一人で暮らしている華を心配して隆弘の母はよく夕飯を華の分まで作り隆弘に届けさせている。華も隆弘と同じ大学の4年生。単位はかなりぎりぎりだが成績は優秀。暗記能力に優れていてテスト勉強は一夜漬けで教科書まるごと暗記してしまうため、成績はいいが全く身についていないタイプ。誰にでも人懐こく、友達は多いが深い付き合いの友達はいない。好きな食べ物はケーキとアイス。嫌いな食べ物はピーマン、トマト、ニンジン、牛肉、肉の脂身、タルタルソース・・・とかなり多い。甲殻類アレルギーをもっている。身長155㎝。かなり細く顔はかわいい。人懐こさからかなりモテるが男運がまるでない。隆弘と同じカフェでアルバイトをしている。華の夢は・・・ない。

隆弘と華の関係は手のかかる妹と面倒見のよい兄のような存在だ。

『で？どこにいる？』
『・・・・・』
『華』
低い隆弘の声に華が小さな声で答えた。
『サービスエリア・・・』
『どこの？』
『○○○の・・・』
『彼氏と一緒か？』
『うんん・・・一人・・・』