幼なじみの不器用な愛情
次の日。早くに旅館を出て二人は華の両親のお墓に来ていた。
二人で掃除をして、お線香をあげる。華はこの日のために自分の働くお店で供える花も用意してきていた。そして支度ができると隆弘は深々と頭を下げた。
隆弘が華の両親のお墓に来るのははじめてだった。

「はじめまして。伊崎隆弘といいます。華さんとお付き合いさせていただいています。よろしくお願いします。」
真剣な表情で隆弘がお墓に向かって挨拶をする。華はそんな隆弘を見ていた。
「華さんのこと、何より大切にします。幸せにします。だから安心して見守っていてください。華さんは私が守ります。」
隆弘はふと華の方を見る。隆弘を見つめていた華と目があうと隆弘は自分の胸ポケットから小さな箱を出した。
「華。」
真剣な瞳で華を見つめ隆弘が話始める。
「高梨華さん。」
「はい」
「絶対に幸せにします。後悔はさせません。あなたが背負うものを俺も背負いたい。喜びも悲しみも、どんなことも一緒に分かち合い歩みたい。俺と結婚してください。あなたの未来を俺にください。」
そう言って隆弘が華に向かって頭を下げる。
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