幼なじみの不器用な愛情
華の瞳から大粒の涙が伝う。
そして、「よろしくお願いします」と華も頭を下げた。

顔をあげて華は自分の両親のお墓の方を見た。
「お父さん、お母さん。素敵な人でしょ?」
そして、もう一度隆弘の方を見る。
「私にできることはちっぽけかも知れないけど、隆弘のこと大切にします。全力であなたを支えます。幸せにします。よろしくお願いします。」
と涙でくしゃくしゃの顔で隆弘に伝えた。
隆弘が涙ごと華を抱きしめる。

しばらく二人は時間を忘れて抱きしめあった。

「ご両親に叱られちゃうな。」
と隆弘が笑った。

二人でもう一度華の両親に頭を下げてその場をあとにするとき、華はふともう一度振り返った。
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