幼なじみの不器用な愛情
「結局借りないの?半そで。」
「大丈夫だよ。動けば熱くなるって。」
「あんたそれほど得意じゃないでしょ?」
「ばれた?」
そんな会話をしていると隆弘とすれ違う。

隆弘とは話をするときもしないときもある。お互いに誰かほかの友達といつ時は話をしなかった。
華は隆弘を意識しながら横を通り過ぎる。隆弘は友達と笑いながら話をしていた。

華が体育館の入り口に入ると「華っ」後ろから隆弘に呼ばれた。
その声に振り向くとすっぽりと華は温かい着心地に包まれる。
華が振り向いた瞬間、隆弘が自分の長袖のジャージを華に着せたところだった。

「へ?」
「風邪ひくぞ。」
そう言って隆弘は自分が着せたジャージの中から華の長い髪を出す。
「お前、持ち物ぐらいちゃんと用意しろ。」
「・・・うん。ありがとう。」
隆弘はそう言ってすぐに華に背を向けて行ってしまう。
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