幼なじみの不器用な愛情
華のアパートで数日分の荷造りをしてから隆弘の部屋へ向かった。
夜になり、隆弘のアパートの近くのコインランドリーへ行って旅行中の洗濯物を一緒に洗濯して乾燥機にかける。小銭がなくて自動販売機で飲み物を一本買って二人で飲む。
そして乾燥が終わると二人で洗濯物をたたむ。お互いの物に関係なくたたむ。

そんな時間が華にとっては何にもかえがたい時間に感じた。

久しぶりに感じる家族のようなぬくもり。

「早く一緒に住むとこ探そうな。」
「・・・うん」
華のシャツをたたみながら隆弘が言う。
華は隆弘のパンツをたたみながら頷いた。



同棲する部屋はその後すぐに見つかった。
二人は徐々に引っ越しの準備をして、8月から正式に一緒に暮らし始めることを決めた。

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