幼なじみの不器用な愛情
二人は共同名義の口座も作った。
隆弘は実家に暮らしていた時からバイト代を貯金していて、その貯金も共同名義の口座へ入れた。就職してからの貯金も相当額あった隆弘だが、華も節約して貯金していたため結構な額が入っている。二人はいつかその貯金で家を建てようと話をしていた。

幸せそうに雑貨のサイトを見る華を見つめながら隆弘の表情が一瞬くもった。

最近、隆弘には気がかりがある。



「・・・・っ」
「華?」
「・・・」
「華。」
ベッドの隣で眠る華をかわいそうと思いながらも起こす隆弘。
華は眠りながら泣いている。
「・・・ん?」
隆弘に起こされて華が目覚める前に隆弘は華の瞳から流れる涙を本人が気づかないように拭った。
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