幼なじみの不器用な愛情
「この辺が台所で、この辺にお風呂があった。」
「あぁ。」
華が指さしながら記憶をたどる。
「この辺が居間かな・・・」
「うん。」
華が両親を待ち続けた居間。
華は思い出して泣きそうになる。
そんな華の肩を隆弘は強く抱きしめてさする。

しばらくして華は「行こう」と隆弘に声をかけた。次に向かうのは華の両親の事故にあった現場だった。

華は今まで一度も行ったことがない。

隆弘の運転で華は現場へ向かった。その手には持ってきた花が握られている。
少し震えている華の手を隆弘が握った。

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