幼なじみの不器用な愛情
「少し・・・休憩してもいい・・・?」
華の言葉に隆弘が急いで車をとめた。
華は真っ青になっている。
「やっぱりやめておこう。」
隆弘が来た道を戻ろうとハンドルを握ろうとすると華がその手を止めた。
隆弘をまっすぐに見つめて首を横に振る。

その瞳には覚悟がにじんでいて隆弘は頷き返した。

車の窓を開けて助手席を少し倒して、隆弘は華に水を渡す。
目を閉じて華は何度も深呼吸をしてから再び隆弘に「行こう。」と声をかけた。





そして、華ははじめて両親の事故に遭った現場へ立った。
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