幼なじみの不器用な愛情
「華・・・」
隆弘の目が心配していることを華はわかっている。
「私のこと、連れてきて後悔してるんでしょ？」
図星だ。隆弘が何も言えなくなる。
「どんな時も隆弘が一緒にいてくれるって言ったんじゃない。私は行きたい。」
「・・・」
華のまっすぐな瞳に隆弘は首を縦に振るしかなかった。

ふたりが待ち合わせ場所の喫茶店に入るとそこにはすでに一人の老人が待っていた。
しわの深いお爺さんの顔を見るなり華が笑顔になる。
「渡部さんですか？」
「はい。」
老人が立ち上がる。
「華ちゃんかい？大きくなったねぇ～」
華を見ると老人が華の方へと近づいてきた。
そしてしわの深いごつごつとした手で華の頬に触れる。
「お母さんに似てる。」
華の瞳から涙が伝う。
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