幼なじみの不器用な愛情
自分だけが生きていることに罪悪感を感じて、華は幸せになることが怖かった。
不幸ばかりが訪れる自分の運命を呪いたくなることもあった。でも、幸せを遠ざけていたのは自分自身だ。

誰かと深く関わって、その人を死なせてしまう自分が死神だったらどうしようと考えたこともあった。

両親の命を奪っておいて、自分だけが何もなかったように幸せに生きることに対して、申し訳なさが勝って、誰かとの距離を気づくととってしまっていた・・・。



「でも、見つけちゃったの・・・隆弘っていう私の生きる理由。幸せになりたい。この人を幸せにしたいっていう気持ちが、ほかのどんな気持ちにも勝って自分でコントロールできなかった・・・。」
華の声が泣き声になる。

そして華は隆弘を見た。
< 279 / 305 >

この作品をシェア

pagetop