幼なじみの不器用な愛情
「すごいな」
「うん」
隆弘の反応が気になっていた華はじっと隆弘を見つめている。
隆弘は妊娠検査薬をじっとしばらく見つめてから華を見た。
「大切にしような。」
「うん」
「なんか・・・」
「ん?」
「俺泣きそう。」
華は結婚式でも泣かなかった隆弘が目を赤くしていることに気が付いた。
「泣いてもいいよ?」
華の言葉に隆弘は慌てて瞬きをして涙をこらえた。
「いつ病院に行く?」
「いつかな・・・。私の次の休みかな。」
「月曜日か。俺早退してくるから病院午後にしてくれよ?」
「いいよ。」
「だめ。」
華がいくら一人で病院へ行くと言っても隆弘は一緒に行くといって聞かなかった。
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